「百草」は、御嶽山の修験者が秘伝の製法を編み出し、200年以上にわたって大切に継承されてきた胃腸薬です。
「百草」の原料キハダは、ミカン科の落葉樹で大きなものは25メートルにもなります。
そのキハダの内皮（黄柏：オウバク）から抽出されたエキスが「百草」です。
オウバクは苦味健胃薬で消化を助け、胃腸の調子を整えるとともに食べ過ぎ、飲みすぎ、胃のもたれ、食あたり、眼病、捻挫、打撲など様々な症状に用いられ、先人はこれを「百種類の薬草を使ったと同じくらいの効果がある」あるいは「百の病を治す万能薬」として貴び、「百草」と名付けたといわれています。
「百草」は、キハダの皮を刻み、鉄釜で煎じ詰め、そしてさらに乾燥させて固めた黒い小判状の塊で、中山道や御嶽山麓の宿、茶店などで竹の皮に包まれて売られていました。
これが今日の「百草」の原型です。現在では、さらに御嶽山に生息するコウボク、センブリ、ゲンノショウコ、ビャクジュツなど数多くの薬草を調合し、水で煮出した黄拍エキスを加え、さまざまな伝承薬が作られています。
長野県製薬（株）では、古来より「腹痛の妙薬」「万病に効く腹薬」として愛用されてきた百草丸の製造工程を見学していただけます。