スピリチュアルロード おんたけ王滝

王滝村の日本遺産「百草薬」

200年の昔から伝わる、修験者の伝承薬「百草」

「御嶽山のほうから帰る人たちは、百草という薬をよくお土産に持ってきました。
百草はあの高い山で採れるいろいろな草の根から製した練り薬で、それを竹の皮に延べてあるのです。苦い苦い薬でした…」これは、島崎藤村の有名な小説「ふるさと」の中で書かれた一節です。御嶽山の「百草」は、修験者が「御嶽山の霊草百種を採り集めて薬を製すれば霊験神の如し」として秘伝の製法を編み出し、その製法を村人に教えたのが始まりといわれています。その後、200年以上にわたって大切に継承されてきた代表的な胃腸薬が「百草」です。
御嶽山で採れるキハダの内皮(黄柏:オウバク)から抽出されたエキスが「百草」で、オウバクは苦味健胃薬で消化を助け、胃腸の調子を整えるとともに食べ過ぎ、飲みすぎ、胃のもたれ、食あたり、眼病、捻挫、打撲など様々な症状に用いられ、人々はこれを「百種類の薬草を使ったと同じくらいの効果がある」あるいは「百の病を治す万能薬」として貴び、「百草」と名付けたともいわれています。
現在では御嶽山に生息する数多くの薬草を調合し、さまざまな伝承薬が作られています。

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